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Viva! 職人 TASSE建築日誌
第一章 「出会い」
第二章 「小豆参戦!」
第三章 「棟梁 登場!」
第四章 「にわか大工 床を張る!」
第五章 「階段板はいずこに」
第六章 「棟梁の技の数々」
第七章 「電気屋さん、水道屋さん、クロス屋さん」
第八章 「店舗ファサード」
第九章 「タイル職人チーム参上!」
第十章 「階段手摺りを作ってくれませんか?」
第九章 「タイル職人チーム参上!」
壁紙も貼り終わり、いよいよ最後の大仕事「工房の床タイル」工事の日がやってきました。工房のタイルも当初自分たちで貼ろうかと考えていたのですが店舗の床レベルとの差が想定していた以上に大きくて相当量のバサモルタルを敷かなくてはならないことが判り、とても我々の人力では不可能なことが判明したのでした。急遽キッチンなどのタイル工事に来ていたUさんに依頼することに。本当に急な依頼にもかかわらず快く引き受けていただきました。Uさんには以前、店舗の三連窓をはめるときに手伝ってもらいました。(20年以上前から棟梁とは同じ現場の仕事をしてきたことから顔見知りです。)
<作業1日目>
当日やって来たのは総勢6人、親方のUさん、UさんJr.、Tさん、Hさん、おっちゃん(みんながそう呼ぶので・・・)、そしてUさんに頼まれて参加の左官屋のOさんです。
これからここに大量のバサモルタルが敷き詰められます。
バケツに入れたモルタルを運び込む通路も準備完了!
表にモルタルを練る通称「プラフネ」を3つ(!)スタンバイ。
本日の「練り方」のTさんとHさん、UさんJr.トリオがモルタルをひたすら練る! ともかく練る! 練る!

中では、Uさんが嵩を計測、縦横に糸を張りました。そしていよいよモルタル投入の時が!
柄杓で接着溶液(少々のセメント入り)を流すUさん
OさんとJr.がすぐにコテで均していきます。
入り口付近まで来ました。


結果、予測以上にバサモルタルが必要で、大変な作業でした。お願いして本当に良かったです。

休憩時間はみんなで輪になって色々愉快な話で盛り上がりました。

左官屋Oさん(親方のUさんに)
       「今日みたいに練りが多いと大変だねえ」

   Uさん 「んー?」
左官屋Oさん 「小型のミキサー買って上げればいいんじゃないの」
   Uさん 「ミキサー?」
       (若手の面々を示して)「あるじゃん」
そこですかさずUさんJr.が言いました
       「Oさん うちら肉体労働者だよ、肉体労働者が
        身体使わないでどうするよ」
22歳にしてこのセリフ! いや〜なんか可笑しいやらうれしいやら。爽快な気分になりました。Tタイルの皆さんは仲が良くて、ともかく明るい! これも気さくで親切なUさんの人柄がもたらすものなのでしょう。

<作業2日目>
糸を張ります
ノロ(セメントだけ溶いたもの)を櫛へらで塗り伸ばしながら、タイル貼りのスタートです。

途中タイルの枚数がぎりぎりな事が判明。2畳分くらいの余裕をみて発注したのですが・・・。
机上の計算では足りるはずでも実作業では様々な状況が重なってくるため予測以上に必要になるものなのですね。
結果、なんと残り枚数は 3枚!でした。
Uさん ごめんなさーい。
すばらしい!
<作業3日目>
目地材が入りました。
Uさん、Tタイルの皆さん
お疲れ様でした!

Uさんのお仕事
左官屋Oさんのお仕事
店舗入り口部分の嵩上げをしてもらいました。左官屋Oさんはともかく仕事がキレイ。
無駄のないコテさばきです。そのためOさんの作業服はほとんど汚れません!

別の日、店舗ドア下の基礎部分のモルタル仕上げ塗り。型枠によるメーカー規格の他の基礎部分とそっくりに仕上げていきます。プロのテクニック!
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第十章 「階段手摺りを作ってくれませんか?」
ささやかな広さでもいいから、展示会やミニ講習会などが開催できるスペースは絶対に作りたいと考えていました。すでに1階部分は[店舗]と[陶芸の工房]、[窯焚き部屋]で目いっぱいです。
そこで店舗の半分を吹き抜けにして階段を上がったところに多目的スペースを作る事にしました。吹き抜けを通じて1階との一体感を持たせる事が出来ます。「お店の中に階段がある」という雰囲気も好きだったので外からも窓越しに階段が見える位置に作る事にしました。吹き抜けにはもちろん手摺りが必要です、そして階段にも。
「印象的な手摺りを付けたい」でもどこに頼めばいいの? どんな材質でどんなデザインがいいのだろう。ハウスメーカーの伝手で見積もりを出してもらったところ「!」な金額だったのでこれまた自前でなんとかする事に・・・。
しかし「階段手摺り」でネット検索してもロートアイアンや工業デザインの手摺りなどばかりです。
う〜ん、
レストランじゃないんだからなんだか大げさなのはイヤだなあ。
しかもすごい値段も高いし。
相方 鉄筋なんてすごく安いんだよ。
鉄工所に頼んで溶接してもらえば簡単に作ってくれるよ。
鉄工所?
えーっなんか無骨なのになったら
イヤだなあ。
相方 溶接の資格とっちゃおうかなあー
(無視して)う〜ん、
まあ確かに最近の住宅雑誌にも
丸鋼や平鋼で作った手摺りって
載ってるなあ。



ともかく市内の鉄工所を探してみる事にしました。まず現場の写真をデジタルカメラで撮ってパソコンに取り込みイラストレーター(ソフト)を使って手摺りのデザインイメージを描いて合成写真を作りました。
それを持って、いざっ!交渉です。
電話帳で調べた何軒かの鉄工所を現場通いの合間に車でぐるぐる見て回りました。なんだかひっそりとしていて作業している様子のないところや看板だけで結局見つからないなどもあり、交渉どころかなかなか鉄工所自体が見つけられません。
結果1番最後に立ち寄ったのが現場から最も近いK鉄工所でした。時間は夕方6時近く、そろそろ作業も仕舞い時に訪問すると、大きくて暗い(鉄工所はなぜかどこも暗い)作業場では2、3人のつなぎを着た工員さんが作業中です。
「こんにちはー、すみませーん」と資料のファイル片手に近づくとびみょーな反応が・・・。どうやら保険の勧誘でも来たと思った(らしい)
「あのーですね、実はすぐ近くのみなみ野で家を建築中なのですが、鉄鋼で階段の手摺りを作ってもらうことは出来ませんでしょうか?」
するとそのうちの一人が割と普通に「ちょっと待ってて呼んでくるから」と誰かを呼びに行ってくれました。
しばらくして現れたのがOさんでした。事情を説明すると、「あー、ではこちらへどうぞ」と事務所に案内してくれました。
(おー、ともかく話を聞いてくれるというのはウレシイなあ)
さっそく現場の合成写真を見せるとOさんは、「もう出来てるじゃない」とにやり。
いやいや、こんな感じのデザインがいいなあと考えていまして、ただこちらのように大きな鉄工所さんでは住宅の階段手摺りなんて
作っていただくのは難しいでしょうか?
Oさん うちも階段は作りますよ、アパートやビルのとか螺旋階段とか。
(わっ規模の大きな仕事ばっかりだなあ)そこをひるまず
あっ、そうなんですか、一般的な平や丸鋼を使って溶接したら
こんな感じのって出来るんでしょうか?
Oさん う〜ん出来るよ。
ほんとうですか!
なんだかこんな小規模な仕事で申し訳ないんですが
もう他に頼めるところも見つからなくって・・・。
Oさん ・・・(かすかな微笑み)
Oさんはとても寡黙でシャイな感じの方なんです。
Oさんは具体的な寸法などを聞きなにやら(丁寧にじっくりと)計算をはじめ、しばらくすると「○○円位かな」と見積もりを提示してくれました。
「!」
 (これなら頼める金額、やったー!これで何とか目途がたちそうだ)
 「ぜひお願いします!」
後日実測に来てもらうことになり、うきうき気分でK鉄工所をあとにしました。
こうして10日後(早い!、お盆休み前の仕事に入れていただいたので助かりました。)
いよいよ取り付けの日がやってきました。
のぼり始めの手摺りの取り付けです。
くるんと巻いた握り手がとてもよく出来ています。
住宅基準法を厳しく守っているSハウスメーカーに付ける事を求められたので回り込むコーナーにも丸鋼で作った手摺りを取り付けました。慣れない階段の上り下りって不安ですし、お客様のためにも付けてよかったです。

後日壁紙が貼られて、すっきりとまとまった感じです。ちなみに手摺りの塗装は営業K氏やコーディネーターのIさんに手伝ってもらって「チョコレートブラウン」色を塗りました。
吹き抜けに長さ3.2Mの手摺りが付きました。
ささやかながら見下ろすと吹き抜けはなかなかの迫力です。
結果、この手摺りはシンプルなデザインが店舗の内装ともしっくりと馴染んで良い感じに出来たと思います。
我々のイメージを見事に形にしてくれたK鉄工所さん、ありがとうございました。
お店にいらした方々にも好評です。 めでたしめでたし。
第十一章 「総仕上げ?まだまだ終わらない」に続く

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